「社会人に必要な数のセンス」 コース001111

■「数のセンスはデキる社会人に不可欠」開講の辞 加藤良平

「もう数学やらないでいいんだ!」

今の高校は多少制度が違うと思うが、筆者が高校の時は、2年生まで数学は必修科目で、3年生になると選択となった。だから大学への進学を希望しない人や、文科系 への進学を目指す人の多くは、その時に「やれやれ」という気持ちでこうつぶやきながら、当然のように数学を選択から外した。小学校以来、算数・数学と呼び名はかわれど、常に付いて回った苦手科目。「もう数学やらないでいいんだ!」という言葉には、高校3年生でやらないでいいという意味ではなく、「一生やらないでいいんだ!」 という嬉しさがにじんでいたようにも思える。

確かに高校3年生の数学の内容は、理科系への進学を意識した側面が強い。普通の意味で文学部や法学部などに進むのなら、それほど要らないかもしれない。ただ、数学そのもの、あるいはもう少し広くいって数のセンスのようなものは、今後事務職として働くにせよ、ベンチャーを立ち上げるにせよ、主婦になるにせよ、やはりきちんと持っていた方がずっといい。万一そういう意味で理解しそこねている算数や数学の分野があるなら、高校3年になろうが、その先に進学しようが、就職しようが、あらためて理解した方がいいはずだ。

いやむしろ、社会人になってからこそ、そういった数のセンスの必要性を痛感する時期があるのかもしれない。そんな際の向学心というのは、学生が単に試験に落ちないため、という動機で勉強する時より、はるかに強いだろう。そう、専門家は別として、数のセンス、あるいはその裏にある数学というものを勉強する「適齢期」は、社会人になってからなのである。会社でなく主婦という仕事においても、そういう場面は結構多いはずだ。

とはいえ、そのために高校までの数学のすべてをもう一度勉強しなおそう、などと考える必要はない。一般的にいえば、微分や積分などは要らないだろうし、三角関数とか対数関数もまず使わないだろう。二次方程式とか、三角形の合同証明なども、外していいのではないかと思う。もちろん興味があるなら、どんどん勉強してほしいが。

それでこの講座では、以下、6つの分野に絞って、社会人全体に必要性が高いと考えられる「数のセンス」をみていくことにしよう。最後のセクションではデータ解析 (多変量統計解析)にも触れる。これはビジネス・パーソン全体ではなく、調査部門やマーケティング戦略部門にある程度限定されるかもしれない。

それほど長い講座ではないので、実際にわかるための解説より、現時点でその理解があるかどうかを判定し、理解していない人向けにその分野が大切な理由を簡単に説明することを主眼にする。その上で、分野によっては実際に原理を説明するが、分野によっては筆者が書いた本や資料を紹介するのにとどめる場合もある。もちろん中学生や高校生向けの教科書や参考書でも、基本的な考え方は学べるはずだ。

講師/著者:加藤 良平 講師プロフィール

<目次>

セクション1
「損益分岐点という概念を理解するための数のセンス」

セクション2
「順列・組合せがきちんとわかるための数のセンス」

セクション3
「期待値という概念を正しく知るための数のセンス」

セクション4
「実効性あるビジネスモデルを作るための数のセンス」

セクション5
「利子という概念を体得するための数のセンス」

セクション6
「対人関係のかけひきを適切に行なえる数のセンス」

セクション7
「データ解析(多変量統計解析)はなぜ大切か」


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加藤良平著/講談社/本体1200円
■子どもの視線で、多数決、選挙、ジャンケン、くじびきなどの仕組みやコツ、
雑学を説明しました。もちろん数のセンスも身に付きます。

 


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税込み 819円


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