セッション6 ヒューマンエラー・概論 -1『概念論』コース000002

セクション6
「道義的な深刻度合いの比較」

以上によって、人の過ち全般がヒューマンエラーとなってしまうところを、計画的犯罪・テロ等を除き、
「a.悪意のある過ち」
「b.準ヒューマンエラー」
「c.ヒューマンエラー」
の三大分類により仕分けした。

この三大分類は、分類間で深刻度合いを比較することができる、と私は思う。ここでいう深刻度合いとは、道義的に許されざる度合いのことに限定する。※1

それは、分類aが最も度合いが大きく、次が分類bで、その次が分類c、である。

コースのテーマがヒューマンエラーなのに、ヒューマンエラーの道義的深刻度合いを3位とすることを奇妙に感じる人もいるかもしれないが、私はこのように思う。

だから、仮に引き起こされる事故・災害の深刻度合いは同じという前提にて取り組み順位を比較するならば、「a.悪意のある過ち」が最優先、次は「b.準ヒューマンエラー」、次は「c.ヒューマンエラー」となる。

逆に、ヒューマンエラーによって引き起こされる事故・災害の深刻度合いが大きく、準ヒューマンエラーによって引き起こされる事故・災害の深刻度合いが小さいとすれば、取り組み優先順位は、ヒューマンエラーのほうが準ヒューマンエラーより先になる。つまり、「α.引き起こされる事故・災害の深刻度合い」のほうが、「β.道義的に許されざる度合い」よりも、優先される。

実務上は、αβとabcを組み合わせたマトリクスに基づく判断が必要となるわけである。


※1:
大きな事故・災害を引き起こす可能性があるかどうかの観点からの深刻度合いは、実際のケースの特性次第なので、この分類に対しては適用できない。


<次のページへ>

<目次に戻る>