セクション5 「ヒューマンエラー・概論 -2『原因論』」 コース000003

セクション5
ヒューマンエラー 原因論のまとめ」

 

ヒューマンエラー概念論に続くシリーズとしての原因論は、ここまでとする。次は、同じく概論として対策論のコースとする。
ついては、特に重要な点を確認することを以て、まとめとさせて頂く。

1.たとえ「非ヒューマンファクター」が直接の原因で事故・災害が起きたとしても、その可能性を予見しておきながら予防策を講じていなかったことが分かった場合には、「ヒューマンファクターとしての間接原因もあり」との判断も加えておく。

2.社会全体で事故・災害の発生件数が減少するためには、「準ヒューマンエラー」の分類に該当するヒューマンファクターへの対策件数が増加しなければならないという理屈が成り立つ。

3.準ヒューマンエラーを起こした当人が「つい」「うっかり」という言葉を用いたからと言って、すかさずヒューマンエラー扱いしてしまうと、特性の仕分けがつかず、原因究明が遠のいてしまう。

4.「ヒューマンエラー」を原因扱いする際のポイントも、「つい」「うっかり」という言葉で原因の結論づけをするのではなく、なぜ「つい」「うっかり」してしまったのか、その経緯や背景、原因を掴むことにある。

なお、特に「準ヒューマンエラーの原因を探る際の共通ポイント」(セクション3)において自動的に浮上したように、事故・災害は、直接原因としては個人的ヒューマンファクターと疑われる場合であっても、経緯や背景に組織運営上の問題が潜む可能性が充分ある。

それにもかかわらず、事故・災害の原因を個人的要因へと早計に寄せ込もうとしたり、その際の使い勝手が良い言葉として「ヒューマンエラー」を用いたりすることのなきよう※1、注意を喚起して当コースを終える。

では、次のコース000004ヒューマンエラー概論-3「対策論」や、別のコースでまたお会いしましょう。

<コース000003 おわり>


※1:
組織の責任をヒューマンエラーをしてしまった個人だけに押しつけ、いわば「とかげの尻尾きり」のようにしてしまう組織風土がもしあるならば、似たような事故・災害が再び発生するだろう。それはもはやヒューマンエラーではなく準ヒューマンエラーである。


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