年功序列(年齢序列) コース000070「人事制度の構築と運営の方法」パート5・人事制度の用語の定義

■ 年功序列(年齢序列)

一般の意味に同じ。
ただし、いわゆる年功序列は、本来「年齢序列」と言い換えるべき、と私は思っている。
当人事制度では、月給の一要素として「年齢給」を据えることを肯定し推奨している。それが頭打ちになるまで上昇していていくことに関しては、「年齢序列」と呼べると思う。
加齢による心の成長を、人間個々で見れば、おそらく多くの場合、或る程度高齢になるまで、上昇する一方だと思う。また、そうあって欲しいものだ。この考え方は、「論語」にある孔子の言葉、「三十に立つ・四十にして惑わず・五十にして天命を知る・六十にして耳従う・七十にて矩をこえず」にも示されていると思う。

ところが、全員が全員、孔子が示す年齢基準に合うように成長するかと言えば、まさにピッタリそうなる人もいれば、もっとペースが速い人もいれば、遅い人もいる。また、途中で成長が止まってしまう人もいれば、後退してしまう人もある。だから、或る年齢の人たちを集めて比較すれば、成長度合いはバラつくことになる。また、或る年齢の低い人と、或る年齢の高い人を比較した場合、成長の度合いが逆転していることもある。

したがって、こうした成長度合いのバラつきに応じるために、当人事制度では、「基礎能力開発基準(一覧)」「能力考課」「昇級候補者選定基準」「等級制度」そして「能力給」を組み合わせた方法をとる。
しかし、採用時点での期待としては皆が皆、「三十に立つ・四十にして惑わず・五十にして天命を知る・六十にして耳従う・七十にて矩をこえず」どころか、ことコンプライアンスの要求の上で、入社早々「矩をこえず(自分の意のまま行動してもルール違反をしない)」ようになって欲しいわけで、そうではない社員・職員が発生したら、人事制度以前に機能しているべき懲戒制度の対象とする。

雇用者側の究極の理想としては、採用した後にとやかく言わなくてもいいように、家庭教育・学校教育の段階で、孔子の要求をクリアしておいて欲しいものだ。が、実際にはこの理想の実現はまだ遠いと予想するゆえ、人材育成主義の人事制度という選択肢が発生するのである。
ともかく、社会人になってから社会人になるための育成をするのでは、社会的に大変非効率である。是非とも、家庭教育や学校教育、幼児保育や学童保育、そして地域コミュニティ活動の中で、有効な社会人予備教育が行われるように、願いたい。これは国家的に非常に大きな課題だ。


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