パート3・セクション4 コース000070「人事制度の構築と運営の方法」(MM式チームワーク主義育成型人事制度)

<パート3>

■セクション4「昇級候補者選定基準」

昇級候補者選定基準とは、或る等級から、上位の等級へと昇級する候補者を選定するために、最低限満たすべき条件を示した表である。内容は全社員へ公開する。

フリーWebカレッジ 組織運営学科 コース000070 添付図 ©蒔苗昌彦

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これはあくまでも昇級候補者の選定基準であり、昇級者を確定する要件書というわけではない。その大きな理由は、能力給(等級ごとに額設定)の総原資確保・予算管理のための、経営者による判断の余地を残しておくためである。つまり、先々の総人件費予算を見込むことができない場合には、昇級の候補者が多くいても、実際の昇級者人数が絞り込まれることがあり得る。

組織の個別事情により、等級の設定の細かさ度合いが異なるので、右図はあくまでイメージとなるが、たとえば右図のように4等級特進も可能とする制度だけに、階層を超えて昇級する場合には、昇級試験を行い、昇級が適切か否かを見誤らないようにする。部門長や役員による面接も同じ意図で行う。

当制度は、場合によっては降級もある制度だが、降級の条件を別紙にすると一表として見づらくなるので、「昇級候補者選定基準」という名称ながらも、降級の候補者の条件も含めた表となる。
何度も繰り返すように「いわゆる正社員・正職員は全員が、管理職・監督者、もしくはその予備役もしくはその候補者、もしくはいずれそうなれるよう努力義務がある者として雇用する」ことが前提の人事制度なだけに、つまりその可能性を採用時に見込んでいるだけに、「降級」は実に不本意な事態である。それだけに、役員が面接し、本当に「降級」が適切なのか、よほど特殊な事情があるのか、採用時になぜ可能性を見誤ったのか等々、慎重に考察すべきである。

なお、パート2セクション4「仕事の構成と賞与までの流れ」にて、「実務考課は、最低条件としての考慮されるものの、如実には反映されない」という表現を使用したが、それは図2を見て頂ければ、その意味はクリアに理解できると思う。


「能力考課の総合考課(後述)」は、Sが4等級昇級、Aが3等級昇級、Bが2等級昇級、Cが一等級昇級、Dが昇級なし、二年連続Dが降級という形で、考課結果が昇級や降級の条件としてそのまま反映される。
これに対し、赤色の線で丸く囲んだ「実務考課」の覧には、「二年Dなし」「当年Dなし」の2パターンの記述があるのみである。SABCは登場しない。また、「昇級なし」や「降級」には、実務考課は全く関係しない。
それゆえ、「(実務考課は昇級候補者選定に)如実には反映されない」と表現したのである。

とりあえず以上だが、その他疑義は、私(担当講師)宛にメールにてご質問下さい。


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